約2年半ぶりに開催された15回目の「夜会」東京公演は、会場を2008年3月に新設された赤坂ACTシアター(赤坂サカス内)に移し森鴎外の名作「山椒大夫」をモチーフにした新作。共演は、前作「24時着00時発」にも参加したコビヤマ洋一と「夜会」常連の香坂千晶、土居美佐子。原作では描かれなかった安寿と厨子王、そして、その母らの思いを、その後、何十年、何百年も経った世界を舞台に中島みゆきの願いを込めて描いた「不思議物語」。今回、書き下ろされたオリジナル曲は22曲。「夜会」の原点に立ち帰り、台詞ではなく楽曲で物語を進行していく形式で、台詞・歌詞ともに「和」を意識して七五調になっている。セットは、第1幕で火、ラストでは舞台上を大量の水が流れるなど演出面で派手な部分もあったが全体的にはシンプルな印象。カーテンコールでは、毎日、中島みゆきから「よい夜をお持ち帰りください」と舞台挨拶が行われた。
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