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Title |
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02 |
◆ |
ミュージシャンが恐かった |
02:08 |
中島
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「それから、バンドを組んでた人たちが解散したり、組んだりで繰り返して、何て言うかな、細胞分裂みたいに、いろんなバンドになったり、蘇生していったりするっていう所の中に入るルートじゃなかったんだよね。私の場合には」
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平山
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「一人でやってきたってことで」
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中島
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「で、アマチュアのときから、前座やったりしても、一人でやってる人の前座やってるから、あんたはあんた、私は私って感じで。教える、教えられないじゃないし、競争するでもなしという感じでね。人と協力して、ていうことが、実に少ない中でやってきたってことあんのね。だから、当初、私がレコード出し始めたときには、ミュージシャンと人たちと合わせるってことが非常に恐かったんだよね。私にとっては。だから、本当は音として欲しかったけど、ミュージシャンって存在が恐かった。私は。うん。あの、かの偉いミュージシャンの方が、目の前にいると思っただけで、私は恐くてね。もう、自然動物園の中に、スッポンポンで入ったようなね。私は実に恐かったです。プレッシャーも、ものすごい感じて。で、LP何枚も出して、コンサートツアーやったりして、少しずつ顔見知った人が出来てきて、“実はこういう音出して欲しいんだけど、いいかな”なんて言っちゃってもいいかなと言える友だちみたいな人が出来てから、音を出してもらえるようになって、音が厚くなってきたかなということは言える。それは、私が今になって、たくさん音楽の勉強して、音聴いてということではないと思うし。私、あまりたくさん人の音楽聴くと、興味ないのね。根っから。今も」
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平山
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「ただ、自分で歌を作って、その後ろに、こういう音があれば良いなってイメージは、ずーっとあったんですか?」
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中島
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「イメージはあるんだけど、恐くて言えないわけよ。これが。で、知ってるミュージシャンが出てくると少しずつ言えるようになってきたってところがあるのね。だから、いま聴くと、ま、そりゃ、いまから聴いて、前の手直ししてそれでいいかどうかは分かんないけど。あの頃はあれで良かったんだろうけれども。今から思ってみると、あの時、この音が欲しかったんだなというのが、今にして、ミュージシャンとこういう話が出来たりしてね。“これ、ホントはギターでやってるけど、あんた、こういう音欲しかったんじゃないの”って言われると“それ、それ”とか、いま思って話したりするわけね」
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