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Title |
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07 |
◆ |
アルバム『36.5℃』のコンセプト |
02:45 |
杏里
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「今回のアルバムのコンセプトっていうのは、どういう..タイトルが、また変わってるんですけど」
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中島
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「あの〜、わりとね。私の..中島みゆきさんらしさみたいなものって、あるイメージあると思うのね。弾き語り、お涙エンカみたいなのが(笑)。“泣いて頂きます”みたいなね」
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杏里
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「でも詞は泣かせてますね」
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中島
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「あっ、そうですか?」
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杏里
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「でも、サウンドとかね。やっぱり、何か、こう..コンセプトが、いままでとちょっと違うなっていう風に感じましたけどね」
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中島
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「そうすると、先ずもって、その詞のシチュエーションの設定からしてね。何んにもないガランとした四畳半で、ギターを抱えて“お涙して頂きます”みたいなイメージに行くと、そこに楽器類がいろいろ要るということは、“らしくないんじゃないか”みたいな事とかね。やっぱり、中島みゆきさんはギター1本弾き語り。ローソク頭にでも灯して唄えば、いちばん良いんじゃないかみたいなね(笑)」
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杏里
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「それは、ちょっと無気味過ぎますね(笑)」
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中島
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「そこにこだわり過ぎると、歌..」
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杏里
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「そこで白い着物とか着てたら笑っちゃいますね(笑)」
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中島
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「だから、かえってそうなっちゃうと歌にプレッシャーかかり過ぎんの。私としても。全て、何のこともしないで、“歌だけがあれば、何にも要らないんじゃない”っていうのは、それは、ひいき筋の方にはね。そういう風に言って頂きますけど。“歌さえあれば、何にも要らない”それは嬉しいけど、私としてはプレッシャーものすごい大きくて、変に頑張り過ぎるときがあるわけ。妙に、表現しよう、表現しようって、何か..エグくなっちゃうわけね。表現しようって感じが」
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杏里
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「逆に、そういう意識を持ってると疲れません。精神的に」
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中島
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「表現しようなんて自分で思うことがね。いやらしく思えてくるの。自分でも。そうすると、自分らしいとか、中島さんらしいみたいな..定義みたいなもの。まあ、人の見る目は、こっち置いといて、自分でいちばん楽にやれる。“どうやって中島みゆきさんらしく唄ってやろうか”なんて考えないで、フラットな状態でね。やったら、どういうことができるだろうかなって作ったのが今回なのね。だから、音が多く聴こえるかもしれないけど、それは私にとっては、有って当然、いちばん、普通に唄えることなのね。耳の中では聴こえてる音なのね。作ったときから。だから、普通のフラットな状態でってことで『36.5℃』がついてるわけ」
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杏里
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「なるほど」
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中島
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「何とか、歌で力んで私らしく、中島みゆきさんらしく、“見ろー!”みたいに唄うんだったら、もう“38度9分”ぐらいまで行かないと無理なわけね(笑)。だから私、『36.5℃』で唄いたかったのね」
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