中島みゆき研究所 Miyuki Nakajima Lab
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2023/02/27 更新
中島みゆきスペシャル・青春の季節2
手紙を出してください(4)「夏の終りから秋のはじまりへ」
放送局 NHK-FM 提 供
放送日 1988年9月1日(木) 時 間 22:00-23:00(60:22)
司 会 中島みゆき 出 演  
:楽曲  :トーク  :MCほか  :CM  :不明 
Tr. Title Time
13 恋文横丁 05:51
中島   「東京の渋谷のね。駅のすぐ近くのところに恋文横丁という一角があって。そこは、もういまはね。ビルになっちゃってるんだけれどもね。私は、その恋文横丁という。小さな店がね。ごちゃごちゃ、ごちゃごちゃ固まった。ほんとに何て言ったら良いんだろう。もう、何か、雑多な感じの店が、いくつか集まってた。そこを憶えてるんだけれどもね。その恋文横町というところがあって。それはね。もう、だいぶ昔のようだけれども。戦後かな。あのー...ラブレターの代筆。代わりに書くのね。その仕事をした人たちが、あそこで店はってたということから始まってるらしいんだけれどもね。まぁ、文字がキレイな人。文が...達筆な人よ。早い話が。そういう人が上手に書いてくれるっていうのもあるだろうし。英語が書けない人ね。自分の恋人が日本人じゃないんだけど、“ラブレター書こうと思っても。英語を書けないのよね”っていう。そういう人のためにね。英語を書ける人が、代わりにね。書いてあげたりする。そういう仕事をやってたらしいんだよね。で、いまは名前だけが残って、恋文横丁っていうんだけれども。思うにさ。そりゃ、もちろん。ねえ。ちゃんとしっかりした文章で、キレイに書いてあるのをもらった方が伝わんだろうけどもさ。本人が思ったよりもキレイな文章で届いちゃったりとかさ(笑)。全然、ニュアンス違って届いたりなんかすると、“後々、こじれやしねーのかなぁ”と、ふと思うわけで。あのー...それは文通なんかでもね。よくあると思うんだけど、例え自分で書いててもさ。ほら、文通とかやんなかった?小学校の頃。だいたい、よく雑誌の隅なんかに、文通コーナーなんて、よくあってね。やり取りするわけだけれども。写真なんかさ、自分の写真じゃないの送ったりなんかすると、後、こじれますよ。ほんとにこれは。で、片一方だけが、嘘の写真送ってたりすると、まず駄目ですけど。この場合。あの、聞くところによると、両方とも、嘘の写真送ってて、会ってみた時にお互いビックリしたっていう場合にですね。案外、うまくいく場合があるんだそうです。これが。自分はちゃんと本当の顔の写真送ったのに、向こうは、“うわあ、何だコリャ”みたいな場合っていのは、そりゃガーンとくるかもしれないけど。あっ、やっぱりそっちもそうだったって言ったときに、何ていうかな、お互い様みたいな感じの意識からね、つい結婚してしまったみたいな人もいるらしいですからね。これだけは、ホントに将来わかんないなって感じがあって。文通というのも捨てたもんじゃない。私も自慢じゃないけども、小学校の頃やりましたけど、ほんの3回しか続きませんでしたね。残念ね、相手は女よ(笑)。そんでさ。何のことはない。私の場合は、単に書くネタが無くなっただけ。一通目はさ、自分の..身の回り..自己紹介みたいなもん。自分は、何処そこの育ちだ、生まれだ。いくつだ。趣味はどーだの。二通目は、学校で今日、どんなことがあった。友達が、どーたら、こーたら。三通目でもって、今日は..“あれ、二通目と同じことしか書くことねーや”。で、三通目でだいたいシレーっとなってきて。もう四通目は、続かないという(笑)。こうなってくる単純なパターンで、私の場合は、文通は破滅いたしましたけれどもですね」
 

中島みゆきが5夜連続でDJを担当した特別番組。「手紙を出して下さい」をシリーズテーマにリスナーから寄せられた手紙を紹介していく構成。第4夜のテーマは「ラブレター」

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