Tr. |
Title |
Time |
22 |
◆ |
N.Y. パワーステーションスタジオ |
02:24 |
大伴
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「僕はねぇ..これ確か4年前になると思うんですが。このレコーディングは」
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中島
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「ああ、そんなになりますね」
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大伴
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「88年ですね。これをある音楽誌のニュースで“中島みゆきパワーステーションでレコーディング”っていうのを見てね。パワーステーションスタジオっていうのは、ダリル・ホールとジョン・オーツとかね、そういった、特にニューヨーク系のミュージシャンがよく使ってたんですが。特徴としては、ファットな太鼓。レブ太鼓ですね。“ボーン”という広がりのある。それからビルの中のエレベーターでミキシングしたような不思議なエコーとかね。そういったものを言われてたもんですから、一体、そういう音をなぜ必要として..みゆきさんが..いらしたのかった不思議に思ってたんですが、アルバムを聴いた時には、“うん。なるほど”っていうかね。やっぱり、今日、いちばん最初に聞いたように、道具は何でも使うっていうか、そういった貪欲さみたいなものも感じましたけどね」
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中島
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「そう。私、ニューヨークに行くときにはね。想像してたのは、日本のスタジオで、どんどんコンピューターとか、そういう電気楽器を使ってやっていくことのもっと先端をやってることは、ニューヨークにあるんじゃないだろうかと想像はしてたんですけど。行ってみて、逆に思い知らされたのは、機械だけで片付けようとするんじゃなくて、機械でできることを生身を使ってやれない訳はないという彼らのバイタリティに圧倒されましたね」
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大伴
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「ふ〜ん。肉体的なバイタリティっていうか、そういった部分ですかね」
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中島
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「それがパワーステーションにはありましたね。何とビックリしたことに。で、最終的に出てくる音がね、日本のコンピューターでやってる音よりも、もっと..何て言うか...生音ではないような音が出てくる場合も多い訳ですけどもね。どうやって作ったんだろうみたいな音がいっぱい出てくる訳ですけど。それを作るための途中のやり方っていうのが、意外とダンボール叩いてたりするんです。これが」
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大伴
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「ダンボールを?」
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中島
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「うん。だから、それを、きっとパワーステーションではコンピューターでやってるに違いないんだから、日本人もコンピューターでやれるはずだって言って座ってるだけじゃいけないんだなぁっていうのを思い知らされて帰ってきました」
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