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24 |
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APO盤リリースの理由 |
04:19 |
大伴
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「それから、大事なことを聞き忘れてましたけど。特に最近のアルバムはAPO方式のCDという方式になってまして。これは非常に音が良いCDなんですけれど。これを採用してらっしゃる理由みたいなものを伺っておかないと」
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中島
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「はい。なかなかこれが誤解の元になってたりなんかするわけでしてね。何か、高級指向で、“こんなんもありますけど”っていうなのを出したんじゃないかっていう風に思われてがち..」
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大伴
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「高いレコードを作ってると」
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中島
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「“ちょっと高級指向も出しました”っていう風に思われがちなんですけどね。そうじゃなくて。私としてはAPOで全部出したかったの。ホントは。でも、業界のみんなが使えば、別に高くはならない素材なんですよ。別に高級素材でも何でもないんです。珍しい素材でも何でもないんですよ」
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大伴
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「ただ特殊な。通常では無い釜を使うっていうか」
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中島
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「反射率がちょっと良い素材を使うわけですけれども。今までの素材の、工場の釜があるわけですよね。そこの中にこれを使おうと思うと、今までの釜を空けて洗って新しくこれ、私の分だけ使わせてもらわなきゃなんないんですよね。そうすると、ロットの問題..分かりやすく言っちゃうと年賀状の印刷と同じようなもんでして、たくさん作れば1枚安くつくんだけども、ちょぴっとだけ刷ると1枚の分が高くつくっていうのと一緒なんですよ」
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大伴
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「1枚、1万5千円のCDが出来ちゃったりしてね。あんまり売れない人はね」
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中島
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「だから、特に高いものを作りたくて、“どうだ。買えねえだろう”とか、そういう趣味じゃなくて。音の良いもんに皆がしてくれれば、工場が皆、その素材に代えてくれれば、別に高い物にしたかった訳でも何でもないんですけどね。だから、私は日本中の人がこの素材のことで、釜を全部それにしてもらいたいと思ってるぐらいなんですけどね」
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大伴
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「ただ、やっぱり誰でも使えないですねぇ」
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中島
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「そうですかね」
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大伴
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「気の毒ですけれど、やっぱり、それだけ、その釜を使えるだけの売り上げ枚数っていうか、それだけのクオリティのあるアルバムを作んなきゃいけないわけですから、誰でもできるってもんじゃないですから」
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中島
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「ああ、そういうもんかなぁ?絶対、音良いんだよ。音良いって言うとさ、何か、中島みゆきが音のマニアになったみたいに見えるかもしんないけども。あの、単純に、マスターテープに入れた音は全部出て欲しいっていうだけなの。だから、メインのヴォーカルのすぐ後ろに小さな音で、是非入れときたいってんで、入れといたサブのヴォーカルとかいう、そういうちょっと後ろの距離があるようなものっていうのは、反射率の低い素材だと消えるんですよね。だから、意味が無くなって、強い音だけが前へ前へ出てくるわけで、それはスゴく表面的に取られがちな恐れがあるわけですよね。で、裏に含めた意味とかっていうところも、是非、聴いて欲しいので、私はもうなるべく表現力のたくさんある素材にして欲しいと。APOがこの世のベストだとは言い兼ねますけどね。これからもっと良い方法はまだまだあると思うけど」
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大伴
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「よくわかりましたねぇ。昨年の『歌でしか言えない』のアルバムにちゃんとね、そういう断り書きの小っちゃい手紙のような..」
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中島
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「あれを書かないとね」
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大伴
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「それでも、まだわかってない人がいるみたいですが。というわけで、そういうものを使ってらっしゃるっていうことですから..」
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中島
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「ええ。私の前に小比類巻さんもやってるんですよ。でも、なかなか業界皆って動きにはならないんですねぇ」
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大伴
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「どうしても少し値段が高くなってしまうからってことですね」
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中島
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「皆がバラバラでちょぴっとずつ作るからそうなるんだわね」
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大伴
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「じゃあ、皆で一斉に作って...」
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中島
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「皆で一斉に代えちゃえば工場も全部代えざるおえないんだけどなー。すると安くなるんだぜー」
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大伴
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「まあ、ほんのちょっと高いだけですから、まぁ、ファンの方は当然、そんなことは気にしないでお買いになると思いますけれど。それ以外の方も..」
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中島
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「すいません、お食事、何回か分かちょっと吹っ飛ぶかもしれません。申し訳ないっス」
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