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08 |
◆ |
「夜会Vol.3」のタクシー |
03:08 |
大伴
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「91年6月のヒットシングルでもあります。『トーキョー迷子』を聴いていただきました。この曲でちょっとね、いろいろ枝葉末節に触れてしまうかもしれませんけれど。これを昨年のシアターコクーンのステージで観たときに。普通のOLの人みたいな格好の中島みゆきさんが出てきて。たぶんシチュエーションはクリスマス近いってゆうか、街の中ですよね?」
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中島
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「12月24日。23時40何分だったかな」
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大伴
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「それで、箱を開けてね。ぬいぐるみが出てくるんですが。寂しいといえば、寂しい風景を一人で表現なさってたんですけれど。一番驚いたのはこの『トーキョー迷子』が終わった後にタクシーのシーンになるんでよね。舞台が。そのタクシーを止めようとするんだけれど、止まってくんない。当然、0時前の繁華街のタクシーなんてなかなか止まってくれませんし」
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中島
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「女一人だとねえ。止まってくんないんですよ。私これ身にしみてます。悔しい」
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大伴
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「年末の六本木の外れなんか思い出しましたけれど。何で、中島みゆきさん、そういう下世話なことをね。何で御存じなのかなって。まるで毎晩、年末、タクシー止めながらね、“フーッ”とか溜め息ついて、諦めてたりとかね。そういうことしてるみたいだなぁと思ってね」
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中島
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「してるよ」
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大伴
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「してるんですか?」
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中島
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「女一人だとタクシー止まんないもん。タクシーの運転手さんに聞くとね。いやなかなか止まんなくて。“いや、やっと止まってくれましたね”って聞くとね、“私ら止まりたくないですもん”って(笑)。近距離が多いんですよ。女一人の客って」
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大伴
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「ああ、そうか。あんまり長いところはケチだから乗らないと」
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中島
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「そう」
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大伴
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「ああ、そうか。そうか」
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中島
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「で、何人か女の子を連れて太っ腹のお父さんか何かが乗れば。“みんな送っていってやるよ”とか、ダーッと回って行くんだろうけど。女一人っていうと“一番近い駅まで”とかってこと多いでしょ?だからね、この稼ぎ時の忙しい時間帯はね、どうしても“避けたい”っと言ってましたね」
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大伴
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「まあ、僕だけじゃないんでしょうけどね。アーティスト中島みゆきは、そういう下世話なことにあんまり触れてなくてね。もう、それこそアジアの政治情勢とかユーラシア大陸全部のこといつも考えてる、ある意味では浮き世ばなれした行動を毎日してるっていうふうにね、思ってた人も多いと思うんですよ」
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中島
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「そういうイメージにしようかなぁと思うんですけれどもね。“私、タクシーなんか乗りませんわ。私のお抱えの運転手がリムジ〜ンでお迎えに来ますの”ぐらい言ってみようかなぁって」
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大伴
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「そう思ってたですよ。でも。観に行くまでは。それがね、タクシーを止める動作が堂に入ってるというかね。リアルで。で、あのシーンがあって次のタクシーのシーンがあるんでね」
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中島
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「じゃあ、次はリムジンに乗り込むシーンを身に付いた仕草でやらないと信用されませんよ。私、言ってることね。よ〜し練習しなくちゃなあ(笑)。..リムジンでコケたからな。私、一回(笑)」
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