Tr. |
Title |
Time |
14 |
◆ |
谷川俊太郎「うそとほんと」 |
02:41 |
アガタ
|
|
「例えば、みゆきさんが一番大事にしている言葉は何ですか、いま?」
|
|
中島
|
|
「大事にしている言葉」
|
|
アガタ
|
|
「多いと思いますけれども(笑)」
|
|
中島
|
|
「“ほんと”ってことです」
|
|
アガタ
|
|
「“ほんと”」
|
|
中島
|
|
「うん。“うそとほんと”っていうこと」
|
|
アガタ
|
|
「“うそとほんと”」
|
|
中島
|
|
「うん。“ほんと”って何だろう?“うそ”って何だろう?って言った時に。私はねぇ、もうずーっと前、10年以上前ですけれどもね。谷川俊太郎さんっていう詩人の人がいまして。この人は、私はもう学生の時から尊敬してるんですけれどもね。この人の詩の中で、“うその中にほんとを探せ”っていうような詩があって。“ほんとの中にうそを探せ”っていう。難しいですけれども、“ほんとの中にほんとを探すな。ほんとの中にうそを探せ”っていうなね。そういう、言葉の..ひっくり返していく詩なんですけど。その詩を読んだ時にショック受けたんですよね。で、それ以来、ずーっと“ほんと”って何だろう?“うそ”って何だろうと思った時に。例えば、よくあることですけれども。その人の為に、本当に、この時に嘘をついた方が、この人の為には良いだろうと思う時には、嘘を言うことってありますよね?本当に、その人の為に思ったら嘘を言った方が良い場合がある。その言ったことは嘘だけれども、気持ちは本当だと思うのね。それは真心だと思うの。そういう意味の“ほんと”ってものを私は追いかけたいと思っているので。でも、それは、人から..第三者から見たときに、“嘘は嘘じゃない”って終わっちゃう人もいるわけで。“嘘つき!”で終わる人もいる。でも、“うそ”って何?って、そこでもう一つ疑問を持ってもらえば、嘘をついた気持ちの本当っていうのを判ってくれるかもしれないみたいなね。で、また逆に、“本当ですよ。本当ですよ。事実ですよ”って言っていても、本当は後ろでペロっと舌だしてるかもしれない人もいるわけでしょう?(笑)」
|
|
アガタ
|
|
「うん。います。います(笑)」
|
|
中島
|
|
「だから、その辺のことをね。私は言葉っていうことを取っ掛かりにして追いかけていきたいなと思ってるの」
|
|
アガタ
|
|
「でも、確かにフランス語にもありましたね。そういう事は」
|
|
中島
|
|
「あっ、そうですか?」
|
|
アガタ
|
|
「...あります。深いですね。とっても。でも、その方が難しいじゃないですか。実際に。バランスの取り方も難しいのと。..言葉って面白いですね」
|
|
中島
|
|
「ね。気持ちと言葉のあいだの関係って、とても面白いと思う」
|
|